走ると膝や腰が痛い育児ママへ|走る前の体クセリセット術【茅野・原村】

「走ってみようかな」と思い始める季節になりました。

諏訪湖マラソンのエントリーシーズンが始まって、育児中のパパと一緒に走り始めたい、自分も体を動かしたいと思い始めるママが増えてきています。院内でも「走ってみようと思って始めたんですが…」というご相談をよく聞くようになりました。

ただ、走り始めたら膝や腰が痛くなってしまった、という育児中のママのご相談が後を絶ちません。「体力が落ちたから」「年だから仕方ない」とおっしゃる方が多いのですが、実はそうではないことがほとんどです。抱っこ・授乳・家事でついた体のクセが原因になっていることが多く、その点を整えるだけで走りやすくなるケースが少なくありません。

育児でこんな「体のクセ」がつきやすい

走る前に知っておきたいのが、育児中に無意識についてしまっている体のクセです。

来院されるランニング中のママさんからよく聞くのが、「産後から肩が前に出てきた」「腰が以前より反るようになった」という声です。毎日の育児動作が積み重なって、気づかないうちに体のクセになっていることが多いのです。

①猫背・上体の前傾(授乳・抱っこ・前かがみ家事から)

授乳中のうつむき姿勢、抱っこで前に引っ張られる動き、シンクでの前かがみ作業——。

これらを毎日繰り返すことで、肩が前に丸まり、上体が前へ傾きやすくなっています。

この状態でランニングをすると、前傾姿勢のまま走ることになり、腰や膝に余計な負担をかけてしまいます。「なんかうまく走れない」「すぐ疲れる」という感覚は、このクセから来ていることも多いです。

②骨盤前傾(抱っこ・おんぶの負荷が積み重なる)

抱っこやおんぶが多い時期は、重さを支えるために骨盤が前に傾いた状態になりがちです。

骨盤前傾が続くと腰椎(腰の骨)が過剰に反り、走るたびに腰への衝撃が集中しやすくなります。

「走ると腰が張る」「翌日に腰の重さが残る」という方の多くに、このクセが見られます。院内で骨盤の傾きを確認してみると、本人が気づいていないだけで前傾している方が多いです。

③股関節の動き低下(同じ姿勢が長く続くことで)

授乳や抱っこで同じ姿勢を長時間続けると、股関節の可動域が落ちてきます。

股関節の動きが悪くなると、走った時に膝や腰がその動きを補うようになります。これが「走ると膝の外側が痛くなる」「膝全体がだるくなる」という症状につながることがあります。

体力は十分あっても、股関節が固まっていれば膝への負担はどんどん増えていきます。

体のクセを残したまま走ると起きやすい3つの問題

上記の3つのクセが残ったまま走ると、次のような反応が出やすくなります。

来院されるママさんから「走り始めて1週間で膝が痛くなってしまった」というお話をよく聞きます。体力の問題ではなく、体のクセが膝や腰に集中して負担をかけていることが多いです。

①膝の外側の張り・痛み(腸脛靭帯炎)

太ももの外側から膝にかけての「腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)」が、走行中に繰り返し摩擦を受けて炎症を起こす状態です。

股関節の動きが不十分な状態でランニングすると、腸脛靭帯への負担が大きくなります。

「走り始めは大丈夫なのに、5〜10分経つと膝の外が痛くなる」という場合は、このケースが多いです。距離を増やすほど痛みが出やすくなるのが特徴です。

②走った後に腰が張る・疲れが翌日まで残る

骨盤前傾+猫背の状態で走ると、腰椎への衝撃が逃げにくくなります。

「走ると腰が張る」「翌日も腰が重い」という場合は、走り方の前に姿勢のクセを整えることが先決です。

院内でも「腰が弱いから走れない」とおっしゃるママさんがいますが、骨盤のクセを整えてから走ると「思ったより楽に走れた」とおっしゃるケースも多くあります。

③足底の張り・かかとへの負担増

前傾姿勢が強いと、着地の際に足の前方への負荷が増します。

走った後に足底(足の裏)が疲れやすい、かかとに張りが出るという場合は、足底腱膜への負担が蓄積してきているサインかもしれません。

「足の疲れだから仕方ない」と思わず、姿勢のクセとあわせて対処することで改善のサポートができます。

走る前3分・体クセリセットケア3ステップ

育児ママの体のクセに合わせた、走り始める前の3分間リセットケアを紹介します。

「走ってから痛くなる前に、走る体を整える」ことが目的です。毎回続けることで体が少しずつ変わってきます。

① 肩甲骨ほぐし(猫背・上体の前傾をリセット)

  1. 両手を頭の後ろで組み、胸を開くようにひじを後ろへ引く
  2. 肩甲骨が背骨側に寄る感覚を10秒キープする
  3. これを3〜5回繰り返す

やり方:胸を前に押し出すのではなく、「ひじを後ろへ引く」感覚で行う。息は止めない。

目安:走る前に必ず行う。感覚に慣れたら、胸が開いた状態のまま1〜2歩歩いてからスタートする。

授乳・抱っこで前に丸まった上体を開くために、最もシンプルで実感しやすいケアです。来院されたランニング中のママさんにその場でやってもらうと、「肩が後ろに引けた感じがする」とおっしゃる方が多いです。

② 骨盤リセット(骨盤前傾を整えて腰の負担を減らす)

  1. 仰向けになり、膝を立てる
  2. 息を吐きながら、腰を床に押し付けるように骨盤を後ろへ傾ける(腰と床の隙間をなくすイメージ)
  3. 3秒キープ → ゆっくり戻す
  4. 10回繰り返す

やり方:お尻や太ももに力を入れるのではなく、おなかを薄くするように内側から動かすイメージで。時間がない時は、立って壁に背中をつけた状態でも代用できます。

目安:走る前に行う。10回が多く感じる場合は5回でもOK。

骨盤前傾が習慣化すると、腰が反りやすいランニングフォームになります。このケアで骨盤のニュートラルポジション(自然な位置)を確認しておくことで、走り出しの姿勢が整いやすくなります。

③ 股関節ウォームアップ(膝・腰を守る動的ストレッチ)

  1. 立ったまま片足を前に持ち上げ、膝を外側に大きく回す(外回り10回)
  2. 逆方向にも10回(内回り)
  3. 反対の足も同様に行う

やり方:バランスが取りにくい場合は壁に手を添えてOK。速く回す必要はなく、ゆっくり大きく動かすことを意識する。

目安:走り始める直前に必ず入れる。朝ランの場合は起床直後より15〜30分後に行うと関節が温まって動かしやすい。

股関節の動きを先に出しておくことで、走った時に膝がかばう動きを減らすことができます。このたった30秒のウォームアップで、走り終わった後の膝の状態が変わってくることがあります。

走り始めのペース・頻度・距離の目安

体のクセを整えたうえで、走り方の基本も押さえておきましょう。

来院されるランニング中のママさんに多いのが、「頑張りすぎて1週間で膝が痛くなった」というパターンです。育児での疲労が蓄積している状態で走り始める場合、最初の2週間はとくに慎重に進めることが大切です。

  • ペース:走りながら独り言が言えるくらいのゆっくり目のペース(はぁはぁしない程度)
  • 時間:最初は20〜30分を上限に。距離ではなく時間で管理する
  • 頻度:週2〜3回・1日おき。毎日走らない(休息日が回復と成長の時間)

「体力はあるのに走ると痛くなる」という育児ママこそ、ゆっくりペースで継続することが一番の近道になります。ペースを落とすほど姿勢が安定し、クセが出にくくなります。

走り続けるために、体のサインを見逃さないで

筋肉痛は走り始めの自然な反応です。でも、以下のサインが出た場合は少し立ち止まってみてください。

  • 膝の外側や膝蓋骨(ひざのお皿)まわりに痛みが出る
  • 走り終わった後、腰の張りが翌日まで残る
  • 足底(足の裏)が走った後に張りやすい
  • 2週間以上、同じ場所の違和感が続いている

「まだ走れる」と感じていても、体は疲労を蓄積しています。早めにケアすることで、完全に走れなくなる前に対処できることがほとんどです。

茅野・原村・富士見・八ヶ岳エリアのたなか整骨院鍼灸院では、育児中のママの体のクセを一緒に確認しながら、走り続けるための体のサポートをしています。整骨院は「痛くなってから行くところ」ではなく、走り続けるために体を整える場所として使っていただけたら嬉しいです。

走ることを、ずっと楽しめる体でいるために

育児をしながら走り続けることは、決して無理なことではありません。

育児でついた体のクセを整えてから走る。ただそれだけで、膝や腰への負担は大きく変わります。

走る前の3分間ケアを習慣にするだけで、「走れる体」になっていきます。焦らず、体の声を聞きながら、ランニングを楽しんでいただけたら嬉しいです。

違和感が続く時、走り方を一度確認したい時、ぜひお気軽にご相談ください。一緒に、走り続けられる体を整えていきましょう。

この記事を書いた人

院長パパ

院長パパ|たなか整骨院鍼灸院 院長 田中経義

柔道整復師・鍼灸師・NSCA-CSCS。長野県原村・八ヶ岳エリアで、育児中のママ・パパ、スポーツを頑張る子どもたちの体づくりをサポートしています。

社会人サッカーチームFCアビエスの専属トレーナー、小学生サッカーコーチ、1児の父としての目線も大切にしながら、「家族を支える人が、家族と笑顔で過ごせる体づくり」をお手伝いしています。