「産後、お腹がずっとぽっこりしていて。頑張って腹筋しても全然変わらないんです……」
こんな悩みを、来院されたママさんからよくお聞きします。
産後のお腹の変化は「産後太り」だと思いがちですが、実は腹直筋離開(ふくちょくきんりかい)や骨盤底の弱化が原因であることが少なくありません。そして、この状態のまま腹筋運動をしてしまうと、逆効果になってしまうことも。
茅野・原村エリアで産後ケアに関わる鍼灸師・柔道整復師として、今日は「産後のお腹が戻らない本当の理由」と、今日から始められる骨盤底ケアについてお伝えします。
産後ママのリアル|「腹筋しているのに変わらない」の理由
「育児の合間に腹筋してみたけど、なんかお腹がもっと出てきた気がする」
「体幹トレーニングをやってみたけど、うまく力が入らない感覚がある」
「くしゃみや咳をすると、少し尿が漏れてしまう……」
これらの悩みはすべて、骨盤底や体幹の機能低下と深くつながっています。
来院されるママさんからよく聞きます。「産後1年以上経つのに、お腹の力の入れ方がわからない」と。筋肉がないわけではなく、筋肉を上手に使えない状態になっているんです。これは意志の問題ではなく、産後の体の変化として起こる自然なことです。
腹直筋離開(ふくちょくきんりかい)とは何か
妊娠中、大きくなった子宮に押されて、お腹の中央を縦に走る「腹直筋(いわゆるシックスパックの筋肉)」が左右に広がっていきます。
これが腹直筋離開です。
産後ママの約60%に、何らかの腹直筋離開が残っているというデータがあります。

産後に自然に戻ることも多いのですが、完全に回復しない場合、お腹の中心部の安定性が低下し、「ぽっこりお腹」「腰痛」「体幹の弱さ」「尿漏れ」などが続きやすくなります。
来院されたママさんに「お腹の中央を指で押さえながら頭を持ち上げてみてください」と試してもらうと、中央がぐにゃっと沈む感覚がわかる方も多いです。これが離開のサインのひとつです。
クランチ(腹筋運動)がNGな本当の理由
「産後は腹筋しなきゃ!」と思って始める方は多いと思います。
でも、腹直筋離開が残っているときに一般的なクランチ(上体起こし)をすると、お腹の中心線(白線)がさらに引き伸ばされ、離開が広がるリスクがあります。
さらに問題なのが、腹圧がかかりすぎることで骨盤底にも余計な負担がかかること。「腹筋を始めてから尿漏れがひどくなった」という方は、このパターンに当てはまっていることがあります。
焦って腹筋を再開するより、まず体の状態を確認してから正しい順番で動かしていくこと。これが産後ケアの基本です。
骨盤底(こつばんてい)とは|体幹の「底」を支える筋肉
骨盤底とは、骨盤の底部にハンモックのように広がる筋肉群のことです。
膀胱・子宮・直腸を下から支え、排泄のコントロール、体幹の安定、呼吸との連動など、日常のあらゆる動作に関わっています。

妊娠・出産によって骨盤底はかなりのダメージを受けます。特に経腟分娩の場合は、骨盤底筋が長時間の圧迫・引き伸ばしにさらされるため、産後しばらくは機能が低下した状態が続きやすいのです。
「産後から尿漏れが続いている」「体がなんとなく重い」という方の多くは、骨盤底の回復が追いついていないサインかもしれません。
当院でできること|鍼灸+体幹ケアのアプローチ
たなか整骨院鍼灸院では、産後ママの体幹ケアに鍼灸と体幹エクササイズを組み合わせたアプローチを行っています。
鍼灸は筋肉の緊張をゆるめ、血行を促し、骨盤まわりの回復をサポートします。産後で硬くなりやすい骨盤周囲の筋肉に対して、やさしくアプローチできるのが鍼灸の強みです。
「腹筋がうまく入らない」「体幹がぐらつく」という感覚がある方こそ、まず骨盤底の状態を把握することから始めてほしいと思います。そこから正しい順番でケアを進めることで、お腹の感覚が変わっていきます。
原村・茅野・諏訪エリアで、産後のお体のことをご相談いただけます。一人で悩まずにお気軽にご連絡ください。
今日からできる骨盤底セルフケア
骨盤底を傷つけずに体幹を回復させるには、まず「呼吸と骨盤底がつながっている感覚」を取り戻すことが大切です。
難しく考えなくて大丈夫。まずはこの2つだけ試してみてください。
① 腹式呼吸+骨盤底収縮(ドローイン)
やり方
- 仰向けに寝て、膝を立てます
- 鼻からゆっくり息を吸い、お腹を膨らませます(胸ではなくお腹で呼吸する意識で)
- 口からゆっくり息を吐きながら、骨盤底を「内側から優しく引き上げるイメージ」で締めます
- 吐き切ったら力を抜いてリラックス。5〜8回繰り返します

目安:1日1〜2回。「力を入れる」より「感覚をつかむこと」が最初のゴールです。
「締める」というより「下から優しく持ち上げるイメージ」の方がうまくいく方が多いです。育児の合間、授乳中などに寝転びながらできます。
② キャット&カウ(体幹連動ストレッチ)
やり方
- 四つん這いになります(手は肩幅・膝は腰幅)
- 息を吸いながら背中をゆっくり反らせ、お尻を上げます(カウポーズ)
- 息を吐きながら背中を丸め、おへそを引き込むように意識します(キャットポーズ)
- 5〜10回をゆっくり繰り返します

目安:朝起きたときや授乳後など、体がほぐれたタイミングで。
骨盤と背骨をつなぐ動きで、骨盤底・体幹・背中が一緒に動く感覚をつかみやすくなります。
③ これだけは気をつけて
- 腹直筋離開が大きい場合は、腹部を強く締める動作(クランチ・プランク・V字腹筋など)はまず避けてください
- 痛みや違和感がある場合はすぐにやめてください
- 産後1ヶ月以内は激しい運動は控え、まず呼吸と骨盤底ケアから始めましょう
まとめ|産後のお腹、一人で抱え込まないでください
産後のぽっこりお腹は、気合と腹筋だけで解決しようとするより、まず体の状態を正しく把握することが大切です。
腹直筋離開と骨盤底の問題は、正しいアプローチで少しずつ改善のサポートができます。
「産後から体が変わった気がする」「お腹の力が入らない」「尿漏れが気になっている」——そんな悩みがあれば、ぜひたなか整骨院鍼灸院にご相談ください。
長野県原村・八ヶ岳エリアで、産後ママの体幹ケアをサポートしています。子ども連れでもお気軽にどうぞ。

