「梅雨が続く週、練習のない日が続いたあとの試合で足首を痛めた——うちの子どもにも起きたことです。」
小学生サッカーのコーチをしている私(院長パパ)は、毎年梅雨明けの最初の練習や試合で足首を痛める子が増えることを見てきました。激しい練習の翌日よりも、雨続きで動けなかったあとのほうが怪我をしやすい——この現象には、体のしくみとしてはっきりした理由があります。
この記事では、梅雨の運動不足がなぜ子どもの足首に影響するのか、そして雨の日でも家でできる足首ケア3つを、整骨院鍼灸院の院長パパとして詳しくお伝えします。スポーツをしている小学生のお子さんを持つ親御さんに、ぜひ読んでいただきたい内容です。
梅雨で子どもの足首が弱くなるしくみ
足首を安定させているのは筋肉や靭帯だけではありません。足の裏から足首まわりには、固有感覚受容体(こゆうかんかくじゅようたい)と呼ばれるセンサーがたくさんあります。地面の感触・傾き・体重のかかり方を感じ取り、脳に「今どんな姿勢にあるか」を伝える大事な器官です。
このセンサーは使わないと感度が落ちます。毎日走ったり跳んだりしているとき、足底のセンサーはフル稼働しています。ところが、雨続きで家にこもり運動量がぐっと減ると、センサーへの刺激が激減し、感覚の精度が少しずつ落ちていきます。
来院されるお子さんの保護者から、よくこんな言葉を聞きます。「梅雨が明けて練習を再開したら、すぐに足首を痛めてしまって。なんで急に?と不思議でした」と。足首の安定性は、体を動かし続けることで保たれているのです。
「子どもロコモ」という現実
近年、子どもの運動器の機能低下を指す「子どもロコモ」が注目されています。外で走る機会が減り、足底アーチが発達しない・バランス感覚が育たない子どもが増えているという現実です。
雨が続く2〜3週間で積み重なった「感覚の空白」が、梅雨明け最初の練習で怪我として現れることがあります。これは特別な病気ではなく、体のしくみとして当然起こりうることです。知っておくだけで、予防のための一手が打てます。
梅雨明け最初の練習が危ない理由
梅雨が明けると、子どもたちはうれしくて全力で動きます。親も「久しぶりだから思い切り練習させよう」という気持ちになりやすいですよね。
でも体のセンサーはまだ「低感度」のまま。地面からの情報をうまく処理できていない状態で、全力プレーをする——これが危険の正体です。
センサーが戻っていない状態で全力で動くと、わずかな地面のでこぼこや着地のブレに対応できず、捻挫が起きやすくなります。特に足首が内側に入る「内反捻挫(ないはんねんざ)」が多く、成長期の子どもは靭帯より骨のほうが弱いため、剥離骨折のリスクもあります。
「久しぶりに動かすときほど慎重に」——これが整骨院鍼灸院の院長として、スポーツをする子どもを持つ親御さんにいちばん伝えたいことです。
家でできる梅雨の足首ケア3点セット
特別な道具は不要です。テレビを見ながら・ご飯前の5分で・お子さんと一緒に楽しめます。3つともセットでやると効果的ですが、1つだけでも続ければ違いが出てきます。
① 足裏タオル踏み(感覚を目覚めさせる)

やり方
- フローリングにタオルを1枚広げる
- 靴下を脱ぎ、素足でタオルの上に立つ
- タオルの凹凸を足裏全体で感じながら、ゆっくり体重を前後左右にシフトする
- 左右それぞれ30秒〜1分
ポイント
「足の裏全体でタオルをつかむ感覚」を意識するのがコツです。テレビを見ながらでも大丈夫ですが、最初のうちは「どこに体重がかかっているか」に集中すると、センサーがより早く目覚めます。足裏への触覚刺激は脳内の「体のマップ」を更新する効果があります。運動再開の前日からでも、十分やる価値のある準備運動です。
② ショートフット(足底アーチを鍛える)

やり方
- 椅子に座り、足を地面にぴったりつける
- つま先と踵を地面につけたまま、足の真ん中(アーチ部分)だけを持ち上げるように力を入れる(靴の長さが短くなるイメージ)
- 5秒キープ→ゆっくり戻す、を10回繰り返す
- 慣れたら立位→片足立ちへとステップアップする
ポイント
最初は「足をギュッと縮める感覚」がわかりにくいかもしれません。親御さんが一緒にやると、子どもも楽しくできます。「足指を曲げるのではなく、足の幅を短くする」イメージが大切です。ショートフットは足底の内在筋を鍛え、足底アーチの維持に直接つながります。スポーツ現場でも捻挫予防・偏平足予防として積極的に取り入れられているエクサイズです。
③ 片足立ちバランス(感覚と筋力を統合する)

やり方
- 壁のそばに立つ(転倒予防のため、最初は壁に手を置いてよい)
- 片足を少し持ち上げ、もう一方の足だけで30秒立つ
- 左右交互に、各2〜3セット
- 慣れたらクッションの上で行うと効果アップ
ポイント
ぐらぐらするのは当然のことです。ぐらぐらしながらバランスを取る動きそのものが、固有感覚受容体のトレーニングになっています。「ぐらぐらしているときが、いちばん鍛えられている」と伝えると、子どもが楽しんでやってくれます。30秒以上安定して立てれば、足首の安定性はある程度保たれているサインです。10秒以内で大きくぐらつく場合は、梅雨明け前に一度たなか整骨院鍼灸院でチェックしてもらうことをおすすめします。
「10歳の壁」と梅雨の関係
骨の成長に筋肉・腱が追いつかず、スポーツ障害が急増する「10歳の壁」の時期は、梅雨の影響をとくに受けやすい時期でもあります。
足底アーチが発達途中の小学校低〜中学年のお子さんは、固有感覚の精度も発達段階にあります。運動不足が2週間続くだけで、大人よりも感覚の低下が起きやすいのです。
「まだ小さいから大丈夫」ではなく、「成長期だからこそ、梅雨の運動不足に気をつけてほしい」——これが、スポーツをする子どもたちのそばで働いてきた院長パパの本音です。足首が痛みのないまま「なんとなくぐらぐらしている」「よく捻挫を繰り返す」という場合は、以前のコラムでご紹介した「10歳の壁」の話とあわせて読んでいただけると、より理解が深まると思います。
まとめ|梅雨明け前の「5分ケア」が大切な理由
梅雨の運動不足は「サボリ」ではありません。雨が続けば外に出られないのは当然のことです。
でも、体のセンサーはその間も少しずつ鈍くなっています。梅雨明けに向けて体を少しずつ温めておくこと——それが怪我を防ぐいちばんの近道です。
足裏タオル踏み・ショートフット・片足立ちの3つを、1日5〜10分続けてみてください。お子さんとの遊びの延長で十分です。
もし「梅雨明けに急に足首が痛くなった」「捻挫を繰り返している」「足首が細くて不安定に見える」という場合は、梅雨明けを待たずに一度たなか整骨院鍼灸院にご相談ください。八ヶ岳・原村エリアで、スポーツをする子どもたちの体づくりをサポートしています。施術はもちろん、ご家庭でのケア方法もいっしょに考えます。お気軽にご連絡ください。

