子どもが「走るとすねが痛い」と言い始めたとき、最初は「成長痛かな」と思いますよね。
でも2週間経っても同じ場所が痛い。練習を続けていたら、痛みがどんどん強くなってきた。
そんなときは、ちょっと立ち止まって確認してほしいことがあります。「走るとすねが痛い」という症状の多くは、シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)という成長期の子どもに多いスポーツ障害です。早期に気づいて対応することで、長引く痛みや疲労骨折への悪化を防げます。
「走るとすねが痛い」の正体——シンスプリントとは

シンスプリントとは、すねの内側(脛骨の内側面)に繰り返しストレスがかかり、骨膜(こつまく)に炎症が起きる状態のことです。
医学的には「脛骨過労性骨膜炎(けいこつかろうせいこつまくえん)」と呼ばれています。
痛む場所は、すねの内側の下3分の1あたりが多く、走り始めやウォームアップ中に痛みが出ます。ひどくなると、歩いているだけで痛むこともあります。
特徴的なのは「1か所だけ」ではなく、すねの内側に沿って広い範囲を押すと痛い点です。これが疲労骨折との大きな違いのひとつです。
来院されるお子さんの親御さんから、「どこが痛いか聞いたらすね全体を手でさすっていました」という話をよく聞きます。その「さすって痛い範囲が広い」というのが、シンスプリントの大事なサインです。
成長期の子どもにシンスプリントが多い3つの理由

成長期の子どもの骨は大人より柔らかく、まだ発育途中です。
特に10〜14歳は骨の成長が急激に進む時期。「骨の伸びに筋肉・腱が追いつかない」状態が起きやすく、骨膜にかかるストレスが積み重なりやすくなります。
その上に、走り込みが多いスポーツ(サッカー・陸上・バスケ・野球など)での練習量増加が重なると——。
「急に練習量が増えた」「硬いアスファルトでの練習が続いた」「サイズが合わない靴での長時間運動が重なった」——これらがシンスプリントの主な引き金になります。
子どもは「このくらい大丈夫」と思いながら頑張り続けることも多いもの。痛みを我慢していた結果、気づいたときには本格的に悪化していたケースは少なくありません。
「最初は成長痛だと思って様子を見ていたんですが、1か月以上経っても痛みが引かなくて…」——そんな言葉を、来院されるお子さんの親御さんからよくお聞きします。早めに気づいてあげることが、長期休養を防ぐ一番の近道です。
疲労骨折との見分け方——自宅でできる確認ポイント
シンスプリントで親が一番気をつけてほしいのが「疲労骨折との混同」です。
どちらも「すねが痛い」という点では同じですが、疲労骨折は骨にひびが入っている状態。放置すると完全骨折に発展するリスクがあります。
自宅でできる確認方法のひとつが「叩打痛(こうだつつう)テスト」です。すねの骨(脛骨)を指先で軽くトントンと叩いたとき、1か所だけが激しく痛む場合は疲労骨折の可能性があります。
以下のような場合は、早めに整骨院や整形外科を受診することをおすすめします。
- 2週間以上同じ場所が痛み続けている
- 休んでも痛みがなかなか引かない
- 叩いたときに1か所だけが激しく痛む
- 夜間に何もしていないのに痛む
「大会が2週間後なのに、どうしたら…」と焦っている親御さんの気持ち、よくわかります。だからこそ、少しでも違和感を感じたら早めにご相談ください。
今日からできるホームケア3ステップ
シンスプリントの初期段階でできる、家庭でのセルフケアを3つお伝えします。
「すねが痛い」と子どもが言ったら、まずこの3つを試してみてください。
① 練習後のアイシング

やり方
- 練習後すぐ、すねの内側(痛む場所)に氷のう(または氷をビニール袋に入れたもの)を当てる
- タオルなどで包んで直接皮膚に当てないようにする
- 1回15〜20分を目安に、1日2〜3回行う
なぜ重要か
炎症がある部分を冷やすことで、腫れや痛みを和らげます。練習直後がもっとも効果的なタイミングです。
② ふくらはぎのストレッチ

やり方
- 壁に両手をつき、片足を後ろに引いて立つ
- かかとを床につけたまま、後ろ足のふくらはぎが伸びるのを感じる
- 20〜30秒キープしてゆっくり戻す。3セット、両足行う
目安
痛みが出ない範囲で、ゆっくり行います。強い痛みが出る場合は無理せず中止してください。朝・練習前後の1日2〜3回が理想です。
③ 練習量・練習環境の調整

やり方
- 痛みが出ているときは走る量を一時的に減らす(完全休止でなくてもよいことが多い)
- 走り込みの代わりに、足への衝撃が少ない水泳や水中ウォーキングに切り替える
- 硬いアスファルトよりも、グラウンドや芝など衝撃が少ない地面で練習する
- クッション性のあるインソールや、競技に合ったシューズへの見直しも効果的
目安
「痛くても頑張る」は成長期のケガでは逆効果になりやすいです。適切に練習量を調整することで、シーズン中も継続して動ける体を保てます。
「成長痛だから大丈夫」が危ない理由
シンスプリントは、適切な休息とケアで回復できるケガです。
でも「成長痛だから大丈夫」と思って走り続けると、骨膜への炎症がどんどん積み重なります。最終的に疲労骨折に発展するリスクがあります。
疲労骨折になると完全な安静が必要になり、数か月にわたってスポーツができなくなることも。大事な大会やシーズンを棒に振ってしまう可能性があります。
「2週間様子を見ても痛みが引かない」「痛い場所が1か所にピンポイントで集まってきた」——そんなサインを感じたら、早めに相談してください。
私は小学生サッカーのコーチとして、また社会人サッカーチームFCアビエスの専属トレーナーとして、現場でスポーツ中のケガを多く見てきました。「様子を見ていたら悪化した」という話は後を絶ちません。迷ったら、まず一度診せていただければと思います。
まとめ
子どもの「すねが痛い」を成長痛で片付けず、まずはシンスプリントの可能性を頭に置いてほしいと思います。
今日からできることはシンプルです。練習後のアイシング・ふくらはぎのストレッチ・練習量の調整——この3つを試してみてください。
2週間様子を見ても痛みが続く場合や、叩いたときに1か所だけが激しく痛む場合は、整骨院・整形外科への相談を検討してください。
成長期のスポーツ障害は、早期に気づいてケアするほど、長くスポーツを楽しめる体につながります。
茅野・原村・富士見など諏訪エリアで、お子さんのすねや足のお悩みがあれば、たなか整骨院鍼灸院にお気軽にご相談ください。「走り続けたい子どもの体を一緒に守る」ためにサポートします。

