試合前日の夜、「また足首が痛い」とお子さんに言われたこと、ありませんか。
先月も、先々月も——。「ちゃんと治したはずなのに、なんでまた?」そのモヤモヤ、ずっと続いていませんか。
実は、捻挫は「痛みが引いた=完治」ではありません。痛みが消えた後にこそ、本当のケアが始まります。たなか整骨院鍼灸院(原村・茅野エリア)で多くの子どもの足首を診てきた立場から、捻挫の「本当の終わり方」をお伝えします。
捻挫が「治った」のに再発する本当の理由
捻挫で傷む靭帯は、痛みや腫れが引く2〜3週間後にも、まだ元の強度には戻っていません。靭帯が本来の硬さ・強度を取り戻すには、3〜6か月かかると言われています。
さらに深刻なのが「固有感覚受容器」の機能低下です。足首の周囲には、体の傾きや足首の角度を感知する微細なセンサーが無数にあります。捻挫でこのセンサーが傷つくと、「足首が今どの位置にあるか」「どのくらい力がかかっているか」という情報が、脳に正確に届かなくなります。
痛みはなくても、センサーが働いていない足首でスポーツを続ければ「転びそうになったときにとっさに踏ん張れない状態」のままです。だから再発する——これが繰り返す捻挫の本当の理由です。
足首の本当の回復は「3つの軸」で確認する
「痛みがない」だけでは、足首が本当に回復しているかどうかは分かりません。私が整骨院で実際に行っている評価には、3つの軸があります。
① アライメント(骨の並び方)
捻挫後は、かかとの骨の向きや足のアーチ(土踏まず)の形が崩れていることがあります。アライメントが乱れたまま走り続けると、足首だけでなく膝・股関節・腰への負担が蓄積します。
② 可動域(どこまで動くか)
足首は前後・内外にしなやかに動く必要があります。特に「つま先を上げる方向(背屈)」の動きが制限されると、走るたびの着地と蹴り出しで足首や膝に余分な力がかかり続けます。
③ バランス(片足立ちの安定感)
捻挫後の足首で片足立ちをするとグラグラしやすいのは、センサー機能の低下そのものです。目を開けたまま片足立ちで10秒静止できるか、一度お子さんと試してみてください。

腰痛で来た中学生の6割が分離症だった、現場からの話
「腰が痛い」と来院した中学生のうち、約6割に腰椎分離症の疑いが見つかります。腰椎分離症は、腰の骨に亀裂が入る疲労骨折の一種で、成長期のスポーツ選手に多い障害です。
なぜ足首のコラムで腰の話が出るかというと、足首のアライメント異常が膝→股関節→骨盤→腰という連鎖で、腰に余分な負担をかけているケースが非常に多いからです。
「ちゃんと治っているはずの足首」が、見えないところで体全体に影響を与え続けている。これは決して大げさな話ではありません。だからこそ、捻挫は痛みが引いた後の評価が大切なのです。
今日からできる!足首の再発予防チェック3選
繰り返す捻挫が気になるお子さんに、ぜひ試してみてください。
① 片足立ちテスト

目を開けたまま片足立ちで10秒間静止します。左右どちらかがグラグラしやすければ、そちらのセンサー機能が低下しているサインです。
② 足首まわし(座ったままでOK)

椅子に座り、かかとを床につけたまま足首だけをゆっくり大きく回します。外まわり・内まわりそれぞれ10回。引っかかりや違和感がある方向は、可動域に制限が出ているサインです。
③ タオルグリップ

床に広げたタオルを足の指でつかんで引き寄せます。足裏の筋肉(足内在筋)を鍛え、土踏まずを支える力をつける運動です。1セット10〜15回、毎日続けると変化を感じやすくなります。
「痛みがない」は「健康」ではない——子どもの体を未来からデザインする
スポーツをしている子どもの体は、毎日変化しています。「痛くないから大丈夫」は、実は「今のところ支障が出ていないだけ」かもしれません。
私が目指しているのは、痛みが出てから治療するのではなく、子どもの体を「未来からデザインする」サポートです。柔道整復師・鍼灸師・NSCA-CSCSとして、またサッカーコーチとして、1児の父として——今の足首の状態を正確に把握して、中学・高校・大人になってもスポーツを楽しめる体の土台を、一緒に作っていきたいと思っています。
原村・茅野・富士見・八ヶ岳エリアで、スポーツを頑張る子どもの体を本気で診ています。繰り返す捻挫が気になる方は、ぜひご相談ください。
まとめ
- 捻挫は「痛みが引いた=完治」ではない。靭帯の回復とセンサー機能の回復には時間がかかる
- 足首の評価は「アライメント・可動域・バランス」の3軸で行う
- 足首の問題を放置すると、膝・腰へと連鎖することがある
- 片足立ち・足首まわし・タオルグリップで今日からチェックできる
- 「痛みがない」は「健康」ではない。子どもの体を未来からデザインする視点を持とう

